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BRTを何故か嫌がる岩手と宮城 [鉄道・バス・陸上交通]

JR東日本社長が、山田線、大船渡線、気仙沼線の"復旧までのつなぎ"として、BRT、すなわち鉄道復旧までのつなぎとして、その軌道をバス専用道として使用するもの、を提案した。
それが地元自治体の評判がえらく悪く、岩手県知事はJR東日本本社に怒鳴りこみに行く騒ぎを起こした。
その理由は「復興には鉄路がつながっていることが重要。システムとして切り離されるBRTは受け入れられない」という。
一体、誰の顔を見て、この人は知事をやっているのか。岩手や宮城の海岸地区は、大津波の被害の甚大さに、鉄道路盤やインフラは波にさらわれたまま、まだ何も手をつけられない状況だ。再度、津波が襲来したことを考え、既設の位置より内陸側に移設する案もあり、見通しが立ってない。
要するに、決まらない線路を再建する間をどうするか、という問いかけなのに、違うところにアレルギー反応をみせる。
JRの隠した本音は、鉄道再建したところで、既に国鉄赤字線の基準すら下回っているところに、巨額の費用を投じて再建することは、「営利目的の一般株式会社」なら、ありえないことだ。
もちろん、国鉄を継承したことや、地域経済などを思えば、「天災で破壊されたので、そのまま廃止します」が通用しにくいところ。しかし財務の弱い一般の地方私鉄なら、現実によくあることなのだ。JRは国鉄の代わり、しかも首都圏でガッチリ稼ぐ優良企業だから…。地方は未だに我電引鉄の考えから、卒業出来てない。国鉄を破産させたのは誰か?JRも潰したいのか?反省は、そこにはない。
鉄道再建は時間とお金がかかる。でも山田線で県庁所在地盛岡と釜石を結ぶ列車は、震災前でもわずか3往復しかなかった。岩手県北バスの106急行バスが、盛岡と釜石を結ぶ、メインストリームだ。山田線なんか、前から機能していなかった。
岩手の事情として、三陸鉄道設立のドタバタがある。日本の第3セクター鉄道の先駆けは、間にJR山田線の一部を挟んで、ようやく三陸海岸が鉄道で結ばれた悲願があった。BRTだと、"また分断"されると主張する。
ただ、現実はそんな見栄っぱりなんて、どうでもいいのではないか?「バス代替では、観光客が来なくなる」、だそうですが、鉄道の再建プランが決まらない今、いたずらに時間伸ばしすれば、そのまま観光客が離れていくだけじゃないですか?そして、地元用務客は、「早い復旧」を望んでいる。鉄道通算の運賃体系さえ保証されれば、当座の案BRTは、むしろ福音に思えるのだが。理解に苦しみます。
あんまり、岩手県知事も愚かな主張していると、「全て県で復旧して下さい。JRは線路をお借りして走らせますから」って、逆ギレされちゃいますよ。
因みに、BRTは世界でも実績を残したシステムで、都市の真ん中で成功したケースも、かなりの数あります。名古屋の失敗は、インフラの使い方を間違えた名古屋市の責任である。道路の代替品のはずがいつの間にか「軌道」になってしまい、金をかけすぎたのが失敗でした。
とにかく、観光客なんて愚かな理由よりも、現実の地元の人が便利になるよう、「早期に」手を打っておけばいいのにと、私は思う。JRも廃止にするなんて言ってないんだから、「実を取りに」行くべきだと思う。
復興相を暴言で辞任した松本龍氏は、「ちゃんと練ったプランを持ってこなければ、金は出さないからな」と言いましたが、被災自治体で、ちゃんとしたビジョンの下、災害復旧している自治体はあるんでしょうか?「元に戻す」という絵しか描いていない人が多いんじゃないのかなぁ…。

まぁ、岩手県北バスは一度会社更生法を適用し、交通系ファンドの手で再建中。岩手県交通も国際興業の支援を受けていて、バス会社もかなり危ない状態。
JR東日本が信用できないなら、いっそのこと岩手県は三陸鉄道とIGRいわて銀河鉄道に在来線の運営をやらせれば?
復興支援と、甘えの助長は全く違うことを、知るべきだ。
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