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人質と、"先進国型"経済の内包する弱点。 [政治]

結果として、日本は結局中国の圧力に飲まれた。煮え湯を飲まされた。

怖いのは、この事件が終わったことではないこと。根本的な問題は、全然解決していない中での、中国漁船船長の解放。これは、今後何度となく、こんなことが起こると、日本政府は覚悟するべきだ。そして、これが大事なのだが、充分学習し、次はもっとよりいい対応が出来るだけの余地を作っておかねばなるまい。
これは、相手が中華人民共和国だけでなく、中華民国(台湾)、大韓民国、北朝鮮民主主義人民共和国相手でも、同じ態度で臨まねばならない。

私は、正直、時期尚早じゃないの?とは思った。
実は、"日本産業界"が悲鳴を上げ、政府に泣きを入れたのが、早期解放につながったと思う。つまり、それだけ、今の日本経済の中国に対する依存度が、際立って高いことを、今回改めて証明したということだ。
でも、だからといって、今更"Buy Japanese"とか、中国から撤収して、日本に回帰するというのは、無理だと思う。自分も25年以上前にカナダで生活したときに、既にほとんどの低い付加価値製品は"Made in China"が当然だった。それが四半世紀過ぎた時、日本が同じことになっただけのこと。
自分としては、正直自分の生活はまだまだ"発展途上国"レベルだと思うが、客観的に見れば、日本は先進国。先進国の人件費で、経済を回すことは出来ない。だから低付加価値商品については、周囲の発展途上国に依頼することによって、やっと日本経済は回っていることを、そろそろ日本の「一般人」も思い知った方がいいだろう。手に取った品物が、どこで作られてるか、逐一チェックするくらいの反射神経は持っていたい。ちなみに、「日本は先進国」って言いきったけど、異論があると思います。しかし、明日の食料位は、ちゃんと食べられる見通しはあるでしょ、少なくともネットをしている人は?発展途上国には、そういう保証を与える余裕はないのです。

企業って、経済でオール安心という構図がない以上、リスクとメリットを天秤にかけて、結果どのくらいメリットがあるのかを、経営者が判断するという行為から逃れることが出来ない。
だから、中国進出も、政情不安、インフラ未整備、権利紛争などのリスク要因よりも、人件費が安いというメリットを取った企業がどれだけ多かったかということなんです。もっとも、今や人件費も大分上がってしまい、労働争議も頻繁に起こるようになって、さっさと中国から脱出を図っている企業もありますが。

今回は、思いの外、アメリカが日本の立場に配慮してくれた。そういう動きもあって、あまり問題が長期化してはデメリットの方が多い、という判断があったのかもしれない。

今回、中国政府は、日米安保の「実効力」が今どんなものか、試したかったという一面がある、と書いた日経のコラムは、私は一番感心した記事でした。

それと、突然向こうの政府に拘束された「フジタ」の社員は何の関係もないから、速攻で解放されるよう、日本政府は全力を尽くせ。
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