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やっぱりダメだったね。 [鉄道・バス・陸上交通]

大阪と青森を結ぶ寝台特急『日本海』と、大阪と新潟を結ぶ夜行急行『きたぐに』が、来春のダイヤ改正で定期運用を終えると発表されました。定期運用から脱落すると、臨時列車になりますが、更に数年で運転日数が減り、いつの間にか完全消滅というのが、最近のJRのパターン。
JRとしては、もう夜行列車は止めたいんでしょう。「やる気がない!」と罵る人もいますが、経費がかかる割に儲けが少なければ、廃止は必然です。だいたい、罵る人たちは、廃止される列車にどれだけ乗っていたのでしょう?せいぜい数回では、話になりません。
JRになって、製造した夜行列車は、わずかに『カシオペア』1編成と『サンライズ』5編成だけ。『あけぼの』、『はまなす』、『北斗星』と『トワイライトエクスプレス』は、ボロボロの外板を叩き直し、色を塗ってごまかしてる。ま、列車の使命が終わる頃にちょうど廃車するつもりなんだろう。北海道や北陸新幹線開業がきっとその時なんだろう。
列車を深夜に動かすのは大変。大型2種持っている運転手が2人いればいい夜行バスと違い、列車は区画毎に運転手が必要。全ての地上設備、特に信号の場所を把握していなければならないからだ。駅員も深夜に駅を動かさねばならない。ダイヤも意外に窮屈で、昼間旅客列車が優先している分、夜は貨物が走ってる。線路の整備も合間を縫ってやらねばならない。しかも、深夜労働は賃金5割増しだしね。
車両も、日本海などで使われてる24系客車は古すぎてガタが来てる。電源のエンジンの手間がかかるそうだ。きたぐにの583系電車だって、(583系通勤型改造車の)419系全廃になったんだから、もうダメでしょ、少なくとも『料金』を頂く列車で走らすのは。
経費では、バスとは勝負にならない。しかもバスはだいたい15年くらいを目処に新車に代替するから、「持ちのいい」列車が仇となる。
『きたぐに』のライバル、阪急バスと新潟交通の『おけさ号』は盛況なので、需要が無い訳ではない。ただ、583系では、勝負にならないだけなのだ。北陸線は新幹線が出来ればJRから分離される。廃止は時間の問題なのは、みな分かっていたのだ。
『日本海』に対抗するバスはない。距離的には飛行機に負けたんだと思う。座席が無いから、割高感は『きたぐに』以上だったかも知れない。
『北斗星』は中国人観光客のツアーが意外に乗っている。東京から列車に乗り、函館か洞爺、伊達紋別あたりから貸切バスで周遊し、帰りは飛行機で東京か帰国という、大雑把な観光ルートがある。『カシオペア』では単価が高い上、詰め込みが効かず、毎日運転でない欠点がある。
『あけぼの』は、経由地を考えれば、夜行高速バスに侵食されてもおかしくないのだが、そこは東北、"出世列車"急行『津軽』の流れを組む『あけぼの』に愛着があるのかもしれない。乗車率は悪くないとのこと。ただし、24系客車の老朽化からは逃れられない。
ま、夜行列車の情緒とか力説する人もたくさんいらっしゃいますが、実際に列車動かす側からすれば、"その列車がいくら稼ぐか"が問題なのであり、稼ぎが悪ければテコ入れして活性化するか、止めるかを選ばねばならない。JRは株式会社、国鉄ではないのだから。実際、夜行列車はじり貧なんだし。
それでも文句あるなら、今からでも、毎日『日本海』なり『きたぐに』に乗るがいい。自分の金で。そこまでやれたら、JRもほっとかないと思うけど、そんな度胸も経済力もあるような人は、いないだろうね。
今更だけど、夜行列車は日本統一の運行専門会社があるべきだったと思う。九州ブルトレ廃止の理由なんて、JR東海が機関士を養成しなかったのが、原因だったんだから。JR旅客6社の調整をしつつ、夜行専用の車両を維持管理し、自らの事業で決算する会社があれば、今みたいに各JRから邪魔者扱いにされずに済んだかも。食いぶちが"夜行列車"に限定されるんだから、死にもの狂いで集客しただろうに。
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